やざわしゅぞうてん
特別純米酒(無濾過生原酒)銀箭
微生物に優しい蔵で仕込む伝統製法の味わい
創業は1833年。酒造りは今も天保年間に建てられた蔵で仕込む。ゆえに蔵つき酵母の歴史も、ものすごく長い。強い蒸気で米を蒸す和釜の甑(こしき)、タンクの醪を混ぜる杉製の櫂棒(かいぼう)、どれも麹や酵母など、おいしいお酒を造る微生物に優しい。
「酒造りはどの工程にも、道具にもちゃんと理由があります。それを守るから伝統製法と呼べるんです」と九代目 矢澤真裕さん。歳時記も大切にしていて、例えば“ひやおろし”は毎年10月にならないと瓶詰めをしない。「外気が蔵の温度と同じくらいになるまで寝かせないと、酒はおいしくなりません」というのが理由だ。
杜氏は南部杜氏の技を継ぐ小松孝行さん。
「目指す酒質は、まさに日本酒の原料である米本来の旨味、甘み、ふくよかさを最大限引き出した酒。今もてはやされているフルーティーな香り高いお酒も魅力だが、食中酒として最適なのはむしろ、香りは穏やかに、味は米本来の旨味を表現した日本酒」という信念を貫く。そのこだわりとともにキレも併せ持つ魅力的な日本酒だ。
2023年4月に小仕込が可能な新蔵が竣工し、一樽毎の少量オーダーメードにも対応可能にした。試飲できる酒蔵カフェ・ショップも併設している。
株式会社 矢澤酒造店