わかしみずしゅぞう
純米吟醸 若清水
また飲みたくなる、マニアックな酒質が魅力
個性的な酒造りをする若清水酒造。山奥の小さな蔵ながら、全量槽搾り(ふなしぼり)を貫く。原材料の米は主に平田村産チヨニシキや福島県の酒造好適米「夢の香」を使用し、酵母は福島県が開発した「うつくしま夢酵母」や「煌酵母」。それを、阿武隈山系からの湧水で仕込む。地酒のスペックにとことん真摯に向き合っているのだ。
杜氏としてリードするのは取締役専務の佐藤喜告さん。数年前に自動車のエンジニアという異業種から転身して家業へ。鋼鉄製のツールを使い込まれた木製の道具に持ち替えてシフトチェンジした。「最初に手がけたものは、代表銘柄『若清水』のブランディングでした」。普通酒だけでなく特定名称酒もラインナップし、自社製酒に幅を持たせた。「全体的に骨太で味のあるうちの酒は、よく変態と言われます(笑)。むしろそれが嬉しい」と笑う佐藤さん。どぶろくをイメージした「やまんば」や10年以上熟成させた「古々酒」など、いずれも一度飲んだら忘れられない通好みの味わい。今後も飲みやすいだけでなく、個性を併せ持った酒の醸造にチャレンジしていく方向だ。
若清水酒造 株式会社