せんこましゅぞう
純米大吟醸 原酒 遖
米の特徴を引き出す小さな蔵の酒造り
米の特徴を見事なまでに酒の味わいに引き出す杜氏がいる。千駒酒造の製造部長、菊地忠治さんがその人。「五百万石」、「吟風」といった酒造好適米を自在に操る。
「米のクセを見極めて、麹と酵母の組み合わせを考えます。それも小さな蔵だからこそできること」と菊地さんはさらりと語るが、酒質の決め手はほかにもあり、それらは複雑に交錯する。そのたくさんある組み合わせの中から、菊地さんはおいしい一滴への筋道をつける。さながら酒の博士である。
「仕込み水は那須連峰が蓄えた伏流水。カリウムやカルシウムが豊富で、発酵の邪魔をする鉄やマンガンを含まず、とても酒造りに適しています。この水があるからうちの酒は旨いんです」と笑う菊地さん。こんこんと湧き出る地下水のごとくなめらかな千駒酒造の酒。その数々に酔いしれたい。
千駒のある白河市は自然豊かな歴史ある街。白河市歴史的建造物にも認定されている当蔵は、昔の面影を今に残している。「書家金澤翔子先生に揮毫していただいた文字を千駒のロゴとしてラベルにしています。この力強い書にあやかり、更なる飛躍と品質向上を目指し社員一同努力して参ります」と語る櫻井慶社長。
地域の方々に愛されてきた味を守り、古き良き伝統を大事にしながらも、新しい企画商品開発や、焼酎やリキュールなど幅広いラインナップを製造している。
千駒酒造 株式会社