かいとうおとこやましゅぞう
大吟醸 開当男山
自己主張し過ぎない名脇役となる酒を
真冬には雪が深々と降り積もり、気温がマイナス20度にもなる南会津町。人口1万7千人余りの町では4つの酒蔵がしのぎを削る。各酒蔵ともに出荷先の大半が地元だということも驚きだ。日本酒の激戦地で創業三百年を超えた。
常に地元を意識して酒造りに取り組んできた。酒米は地元農家による生産が大半を占める。大吟醸は「山田錦」を使用するが、その他の酒は福島県の酒造好適米「夢の香」を重用する。十四代目の渡部謙一代表は「心白がしまっていて壊れにくい。地元の水とも相性が良く思った通りの味を出してくれる」と信頼を寄せる。
同蔵が目指す酒を「甘過ぎず辛過ぎず、自己主張し過ぎない酒かな」と渡部代表は語る。「酒は昔から重要なコミュニケーションの道具だった。気がついたら自然と飲み干していた、というイメージ。主役はあくまでも酒を飲む人であり、うちの酒は名脇役でありたい」と説明する。
南会津町は地酒で乾杯を奨励する「乾杯条例」を制定し、日本酒の復興に向けて後押ししている。「これまでも、いい酒を造ろうと切磋琢磨してきた。今後もその精神を貫き地元に貢献したい。」渡部代表は力を込める。
開当男山酒造