明治23年創業、歴史ある磐梯酒造から、純米吟醸無濾過生原酒 ”さなぎ” が3月上旬に発売されました。
この新酒の醸造を担当したのは、磐梯酒造入社五年目、この春に福島県清酒アカデミー卒業を迎えた長﨑瞳さんです。

五代目蔵元である桑原社長は、長崎さんの心意気を高く評価され、会津産福乃香50%精米のお米を390kg預け、仕込み配合から種麹・酵母の選定、そして醪(もろみ)管理など新酒造りの全てを長崎さんに託されました。
これまで麹の責任者として従事され、アカデミーでは酒造りも行ったという長崎さん。
「アカデミーの授業とは原材料はじめ色々と違うところがあり、最初の方はうまくいかずにアドバイスをいただきながら、という感じでした。初めて行う醪(もろみ)管理は、30日ほど毎日経過を分析しながら見ていくところが難しかったです。」
12月は大晦日まで、年始は2日から毎日分析を続けて、年明けからは仕込みが始まります。
「彼女の一生懸命やっている姿を見て “長崎さんのお酒、絶対失敗できないぞ!” と、蔵人が一致団結できたのが嬉しいですね」と桑原社長。
「一番身近な人の笑顔が引き出せるような日本酒になればいいな」と、思いを込めて醸された“さなぎ”。
その味わいは、爽やかなリンゴを思わせる香りの中に、雪深い会津の磐梯酒造らしさを感じる力強さもあり、日本酒好きな方に好まれる仕上がりになったそう。
「社長や杜氏さんのようにまだ技量はないので、できたところが私のお酒、そういう未熟なところも含めて、蝶に生まれ変わる前の”さなぎ”なのです」と、ネーミングには長崎さんの謙虚な想いが込められていました。

■さなぎ純米吟醸無濾過生原酒
原料米:会津産福乃香50%精米
酵母:磐梯酒造酵母「磐梯A」
日本酒度:-2
酸度:1.8
度数:15.9
火入れ:無
本体価格:2,200円(720ml)